クラシック音楽雑感

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ブラームス 交響曲第1番 ベーム&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975)

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ブラームス

交響曲第1番 ハ短調 Op.68

 

指揮 :カール・ベーム

管弦楽ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 

録音:1975年 5月、ムジークフェラインザール(ウィーン)

レーベル:ドイツ・グラモフォン

 

ベームによるブラームス交響曲第1番の演奏は、ウィーン・フィルとの東京ライヴ(1975)やベルリン・フィルとの録音(1959)などが有名かと思いますが、私はこのウィーン・フィルとのセッション録音も長らく愛聴しています。

 

というのも、私が人生で初めて購入した交響曲のCDがこの1枚だからです。当時、吹奏楽にどっぷり浸かっていた高校時代の私は、オーケストラの演奏を聴くことはあったとしても、ラヴェルドビュッシーレスピーギらといった、吹奏楽で演奏するためにアレンジされた作品のオリジナルの響きを確認するため程度のもので、鑑賞には至っていないきらいがありました。

そんな私は、表面的な標題から切り離された、葛藤や問い、ロマンを内包し、ひとつの宇宙を形作っていくこの作品の虜となることになります。

 

ブラームスの特徴は、なんと言っても重厚なオーケストラの響きと、第2ヴァイオリンやヴィオラが担う内声部の機微といえるでしょう。

この演奏はそういったツボをおさえたいわゆる王道のスタイルだと思います。それだけには留まらず、柔らかさや伸びやかさといった性格も持っていると感じますし、ある種の固さやパワーが特徴的なベルリン・フィルとの録音と比べても、音楽の自然な流れを感じやすいこちらの演奏が好みです。